日本の助成財団の現状 -概況

概況

-2017年度調査結果(2018年3月更新)-

1-1.助成型財団の定義

内閣府による「平成28年公益法人の概況及び公益認定当委員会の活動報告」によると、2017年4月1日現在、特例民法法人施行前の民法による設立の財団法人、社団法人)から公益法人へ移行したものが8,998、一般法人への移行が11,664ある。※
これらのうち、当センターが把握している助成型財団(後述の対象A)は1,998あり、その中で特例民法法人から公益法人へ移行したものが、1,436(財団1,342、社団94)、一般法人へ移行したものが384(財団335、社団49)、新制度施行以降に設立され法人は106あり、そのうち公益法人へ移行したものが81ある(2017年11月の調査時点)。残り72は社会福祉法人等である。
調査は、上記1,998団体を含む3,622団体に調査票を送った。これらは、内閣府の公益法人データベース(総数:約18,000、2018年1月現在)、インターネットの検索サイトやその他の情報源より新たに抽出等を行った。調査の結果、1,735団体から有効回答を得た。

本統計では、従来通り以下の事業を行う団体を「助成財団」と定義し、一般、公益の区別はせずに対象とした。

(1)個人や団体が行う研究や事業に対する資金の提供
(2)学生、留学生等に対する奨学金の支給
(3)個人や団体の優れた業績の表彰と、賞金等の贈呈

また、「社団法人」や「社会福祉法人」等、制度上は財団法人以外の公益法人であっても活動内容が同等なものは「助成型財団」に含めている。一方、特定非営利活動法人、独立行政法人(旧特殊法人)、公益信託、企業(内部基金含む)等は分析対象から除いている。
※当初からの定義では「型」の字を含むが、以下本稿では助成財団と表記する。

 

図1 助成財団の位置づけ

図1 助成財団の位置づけ

1-2.調査分析の対象

本書で分析対象とする助成財団の母集団は、2017年度の調査結果と、過去に行ってきた調査結果の累積から、次の2通りとした。
[対象A]1987年から2017年まで29回の調査結果の累積に基づく母集団
1987年以来行ってきた調査に回答した財団のうち、財団の概要およびプログラム内容についての記載があり、かつ現在も助成活動を継続しているものを[対象A]とする。

対象A:1,998(前回1,986※)財団
※ 2016年度調査の数値(以下、同じ)

設立年など、年度毎にあまり変化しないデータに関する分析は、[対象A]を母集団とした。

[対象B]2017年の調査結果に基づく母集団
[対象A]のうち、2017年7月の調査に回答し、最新のデータ(2016年度決算)を提供したもののうち、正味財産(資産総額)の記載があり、かつ年間助成総額が500万円以上のものを[対象B]とする。

対象B:932(前回954)財団

資産規模や事業規模など毎年変化するデータに関する統計的分析は、[対象B]を母集団とした。

1-3.今回の調査結果の要約

(1)助成財団設立数と資産、事業費の傾向

1990年をピークに91年以降、助成財団の年間設立数は顕著に減少している。
(図2)

(2)資産規模

[対象B]には、2016年度決算(2017年3月末)時点では、公益財団法人759、一般財団法人119、公益社団法人33、一般社団法人11、社会福祉法人10が含まれている。
なお、2006年度から公益法人会計に新会計基準(財産の時価評価額表示等)が導入された。このため現状の公益法人会計の決算では新会計基準と旧会計基準が混在しているので、資産合計や資産の順位等は同一基準での計算ができない。因みに対象Bの932財団のうち、新会計基準を採用しているのは927財団で、約99%が新会計基準である。
(表1,2,3)

(3)助成事業規模

32財団の助成事業費の合計は約1,092億円。年間助成額が5,000万円未満の財団が全体の72%を占め、5億円以上の財団は3%である。年間助成額の上位20財団の日米比較では、約30倍の開きがある。
(表4,5,6)

(4)助成事業の内容

助成の事業形態別に見ると、研究助成が抜きん出て多く、研究支援関連の助成と、文化、福祉、NPO・市民活動等の事業プロジェクトへの助成および育英奨学のプログラム数を比較すると、2011年度までは長らく5:2:3という比率であったが、2012年度以降はほぼ2:1:1となっている。注目すべきは僅かずつではあるが、時代のニーズを反映して事業プロジェクトへの助成が増えてきていることである。(図7)
助成事業の分野別に見ると、「科学・技術」「医療・保健」などの自然科学系の分野が多い。この10年間、事業分野別のプログラム数の比率はほとんど変わっていない。(図8)
年間助成の合計額は、バブル崩壊後の低金利政策等の影響もあり、1993年度より減少傾向が続いていたが、2012年度以降、増加傾向に転じている。