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日本の助成財団の現状

4.資産・事業規模の検討([対象B](742財団)について)

−2009年度調査結果(2010年1月更新)−

以下では、助成財団センターによる2009年度調査で有効回答のあった[対象B](742財団、以下同じ)について分析を行う。

4−1.資産規模から見た助成型財団

ここでいう資産総額とは財務諸表上の正味財産のことである。
 資産は主に債券や株式で運用されているが、その評価額は2005年度までは財務諸表には簿価で記載されていたが、2006年度から公益法人会計基準が改定され、時価評価額に移行することになった。ただし全ての財団が一斉に移行するわけではないため、2008年度では新旧双方の基準が混在することになっている。対象Bの742財団のうち、新会計基準を採用しているのは630財団で、約85%が新会計基準を採用している。このため、資産合計や資産の順位等は同一基準での計算・比較ができない。以下の分析は混在したまま行ったものである。
 [対象B]742財団の2008年度末(数件の例外を除いて2009年3月31日現在)の資産合計は約2兆3,187億円であった。資産規模別に財団の分布を示したのが表1/図4である。ここでは、資産規模を5階層に分け、各階層は「以上〜未満」で区分した。資産規模10億円未満の財団が742件中344件で46%を占めている。資産規模100億円以上の財団は47件で6%に過ぎないが、資産の合計で見ると全資産の48%を占めている。全てが旧会計基準であった2005年度は、資産規模10億円未満が49%でほぼ同じ割合であるが、100億円以上は21財団3% であり2008年度の半分以下、合計金額では33%と2008年度の半分強の割合であった。このことから新会計基準によると少数の大型財団と大多数を占める中小規模財団との二極構造がよりはっきりと示されるようになったと言える。
 日米の財団の資産総額上位20財団の状況は表2、表3の通りで、合計金額では約18倍の開きがある。試みに2007年度の各財団のランキングを併せて表示した。

表1/図4資産規模別財団数および資産合計(5階層別)
表1/図4

表2 日本の上位20財団 資産総額
表2
表3 アメリカの上位20財団 資産総額
表3

4−2.助成規模から見た助成型財団

各財団の事業のうち、助成・奨学・表彰等のいわゆる助成事業に支出した金額が年間助成額であるが、[対象B]742財団の2008年度の年間助成額合計は約599億円であった。年間助成規模別に財団の分布を示したのが表4/図5である。
 助成規模を5階層に分け、各階層は「以上〜未満」で区分すると、年間助成額が5,000万円未満の財団の数が548団体、74%で全体の約4分の3を占めている。一方助成額5億円以上の財団は数の上では14団体で2% にすぎないが、助成金の合計は約272億円で全体の45%を占めている。こうして見ると、日本の助成財団の約半数が助成金額においては年間2,500万円以下の財団となっていることがわかる。
 日米の財団の年間助成額上位20財団の状況は、表5、表6の通りで、合計金額では約27倍の開きがある。

表4/図5 年間助成等事業規模別財団数および助成額(5階層別)
表4/図5

表5 日本の上位20財団 年間助成額
表5
表6 アメリカの上位20財団 年間助成額
表6

4−3.経年変化

年間助成額が500万円以上の助成事業を継続している財団で、過去21年間の連続したデータのある106の財団については、経年変化をトレースすることができる。しかし、前述の通り2006年度からは新会計基準と旧会計基準が混在しているため、総資産については2006年度8,822億円2007年度8,152億円、2008年度7,276億円と時価ベース会計の影響で大きく変動することになり、2005年度の1.5倍程度となる。簿価ベース以前との経年変化の比較はできない。
 図6では、総資産ならびに助成事業費合計の推移と、助成財団の主な財源のひとつである10年もの国債の金利の変化とを重ね合わせてみた。
 総資産は概ね毎年増加してきたが2000年以降はほぼ横這いである。助成事業費の合計額は、1994年度より減少を続けているが、98年以降はほぼ横這いになっている。今回の調査では前回(2008年度調査)に年間500万円以上の助成をした財団で今年度は助図6 過去21年間データありの106財団推移成額が500万円以下に減少した財団が22(前回13)財団あった。また今回の調査に回答のあった1,290団体のなかに今年度から来年度にかけて助成プログラムを廃止あるいは休止をする財団があり、この傾向はここ数年続いている。助成事業費の減少は、ここ数年の日本の超低金利政策の影響によるものであり、現在でも助成財団の資金事情は極めて深刻であることに変わりはない。
 助成財団は基金の運用収入で年間事業費をまかなっていると仮定すると、97年以降では国債利回りの急落ほどには「基金運用率」が急下降していない。実は、各財団とも助成金水準を少しでも維持するために、出捐元企業からフロー資金を注入したり、あるいは運用財産の一部を取り崩したりしながら事業費を補填する努力を続けてきており、それがわずかとはいえグラフにあらわれている。

図6 過去21年間データありの106財団推移
図6

4−4.総事業に占める助成の割合

助成財団はまた、助成事業のみを行っているだけでなく、財団独自の研究・調査などいわゆる自主事業を行っているものも多い。それを助成事業費と助成金以外も含めた事業費総額の割合からみたのが、図7である。ここでの対象は[対象B]742財団のうち、事業費について有効回答があった705財団である。
 事業費総額と助成事業費が一致、すなわち100%助成事業のみおこなっている財団は14%で、ほとんどの財団が助成事業の他に何らかの自主事業も行っている。しかし、全体でみると事業費総額のうち助成事業費の割合が70%以上の財団が約58%を占めており、事業の中心はやはり助成といえる。

図7 助成事業費/事業費総額の財団数分布(705財団)
図7


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