助成財団センターについて -設立趣旨

-1985年(昭和60年)任意団体として設立
助成財団資料センター設立趣意書

近年、わが国においても民間の助成型財団や公益信託の設立が盛んとなり、社会の多方面においてその活動への関心が高まりつつあります。しかし、これらの活動は未だ必ずしも社会的に十分理解されているとは言えません。
助成、表彰、奨学等の民間の財団活動は今後ともますます重要なものとなっていくでしょう。そのためにも、長期的な視野に立ってその活動を支援するための基盤を整備していくことが必要と思われます。
以上の考えに基づき、助成型財団の関係者有志は、相協力して「助成財団資料センター」を設立することとしました。
この資料センターは、助成型財団等の活動についての社会的理解を深めることにより、現在および将来の民間助成活動の振興を図ることを目的としており、次のような基本的性格をもつものです。

(1)助成型財団等に関する資料・文献等の図書館としての性格
(2)助成する側と助成を求める側との情報交流の場としての性格
(3)助成活動の内容全般について社会的な理解を促進する機関としての性格

なお、このような資料センターは一朝一夕に完成するものではありません。長期的な展望にたって将来像を描きつつ、地道な活動を重ねていくなかから完成させていくべきものと考えます。

1985年8月31日発行「助成財団資料センターの設立可能性に関する調査報告書(要約編・調査偏)」p.9より

 

 -1988年(昭和63年)財団法人設立
財団法人 助成財団資料センター設立趣意書

第二次世界大戦後の我が国は、極めて高い経済成長を実現し、今や経済的には世界における大国となりました。しかし現在、我が国は世界の他の国々との経済摩擦・文化摩擦に苦しみ、また、国内的には、教育の荒廃、基礎的な研究の不足、文化活動の貧困、不満足な社会福祉、不十分な環境保全など様々な問題を内包しております。
これらの諸問題は経済優先主義の結果とも言えるものであり、行政の立場からの取り組みだけでも、また営利を目的とした企業活動だけでも解決することはできません。ここに民間でありながら営利を目的としない活動が求められ、それらの民間非営利活動を支える助成財団や公益信託(以下助成財団等という)の活発化が求められる社会的背景があります。しかし、我が国の経済活動の規模に比べるとまだまだ助成財団等の規模は小さ過ぎるというのが実情です。我が国の民間資金援助への期待が、国内はもとより世界の各地で高まってきている現在、助成財団等の活動を一層発展させることは、国際的な視点からも緊急の課題と言ってよいでしょう。
このような課題を解決するためには、法制度の整備、税制面での配慮など多くの方面からの対策が必要です。しかし財団関係者がまずその第一歩を踏み出すことが必要と考え、昭和60年11月20日、有志財団の共同事業として助成財団資料センターを発足させました。そして、助成財団等に関する資料・文献等の収集や閲覧、広報誌や要覧の発行による情報提供等の事業を通して、助成を求める側と助成する側を結び、民間助成活動に対する社会的理解の促進に努めてきた次第です。
このたび、これまでの事業内容を更に充実させ、将来にわたって確固たるものにするため、助成財団資料センターを法人化することとし、「財団法人 助成財団資料センター」を設立することにしました。本法人は、これまでの2年余にわたる事業実績を基盤に、我が国における民間助成活動のより一層の発展を目指し、ひいては公共の福祉増進に寄与することを目的とするものであります。

昭和63年2月15日

財団法人 助成財団資料センター
設立代表者     林 雄二郎

 

-1996年(平成8年)「助成財団センター」に名称変更

当センターでは、名称変更などを含む寄付行為の一部変更を申請中であったが、7月17日、総理大臣から認可された。

当センターは、従来、助成・表彰・奨学等をおこなう助成財団等の資料を収集・整理し、社会に提供する業務を中心としておこなってきた。
しかし、助成財団にたいする期待が高まるとともに、センターに期待される役割は、単なる資料の収集・整理・提供にとどまらず、民間助成活動について社会的理解を促進するため「社会への発信」を強化すべきではないか、との声が高まってきた。
わが国の助成財団の活動は、「助成団体要覧」1996に採録されている団体数が、640団体(注)にとどまっていることからもわかるように、活発におこなれているとはいえない。
この状況を克服するためには、ただ資料の収集やその整理・提供だけではなく、助成財団の役割について社会的理解をもとめ、そして、助成財団を発展させるための諸条件の整備のために、「社会への発信」が大切である。それをうけて、寄付行為の第4条事業のなかで、出版物等について、従来は財団の事業内容を紹介することに止まっていたが、さらに一歩をすすめて、助成財団の理念・役割・課題をあきらかにし、財団活動の発展を期した意見・提言をおこなうこととした。また、財団が共同しておこなうプロジェクトの取りまとめをおこなうことも、とりあげた。
(注)アメリカで当センターと同様な活動をしている組織は、ファウンデーション・センターとよばれている。同センター発行の要覧に採録されている財団は、ほぼ同様な基準で約11,600財団である。

当センターは、約11年前(1985年11月)財団有志の発議により、任意団体として発足、1988年4月財団法人として設立が許可され、今日にいたっている。
発足当初の「助成団体要覧」1988年に掲載された団体数は213で、以来隔年の出版ごとに347、492、640とふえつづけている。発足当初と比べれば、センターの活動内容も変わってきているし、財団をめぐる環境も異なってきている。
当センターとしては、データベースの維持や会員財団等と連携を緊密にしつつ、助成財団の全体像の把握につとめるとともに、問題点や役割を積極的に把握・発信し、また、セミナーの実施や外部関連団体との交流などを通じて、助成財団活動の向上のために努力してきた。また、海外の財団との交流も、活発になりつつある。海外から広く日本の財団によびかけがあった場合、センターにまとめ役としての役割りが期待されている。
また、助成財団資料センターの名称は、センターの業務を、「資料」の処理を中心とする業務に閉じ込める嫌いがあった。助成をする側と助成を受ける側とを結ぶことに集中しがちであった。
むしろ広く社会の各層に向けて、民間のおこなう助成活動の意義や役割そして問題点などについて、訴える必要があったと考えている。
これらを、あわせて考えると、名称の変更が必要であった。
現在、財団がかかえている問題は、超低金利下にあって財団の運営が困難なことであるが、長期的な問題としては、財団の設立が主務官庁の許可主義であることや税制面の優遇策が制限的すぎること、そしてこの二つが絡んで、民間の自由な発想や、のびのびとした活動が制約されがちなことである。そのことが、あらたな財団活動の芽を摘みとることになる。
民間非営利部門の急速な拡大の動きは、最近の市民団体法案の動きに象徴されるように時代の流れであり、助成財団もその動きに対応していく必要があろう。
助成財団センターへの脱皮は、まさに時代の所産である。

1996年8月20日発行 JFC VIEWS No.9掲載