現在、自然科学・社会科学や文化・芸術活動あるいは社会事業にかかわる多くの人たちへの資金助成を通じて、社会貢献を果たしている公益法人(助成財団)で構成する助成財団センターは、平成15年6月27日閣議決定の「公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針」に関し、次のとおり意見を表明します。
- 改革案の具体化に際しては、閣議決定された基本方針の前段で謳われている「21世紀の社会経済の一翼を担う民間非営利活動の発展を促進する」ためという目的を最大限尊重されるよう求めます。
閣議決定で冒頭に「1.改革の趣旨と検討の方向等」に記載された趣旨が、「2.新たな非営利法人制度と非営利法人の公益性の判断基準とガバナンス等、3.新たな非営利法人に対する税制上の措置、4.現行の公益法人制度改革後の非営利法人への移行」等々で具体化されておらず、すべて今後の検討に委ねられている。特に支援・優遇策の中心となる税制については、前向きの記述が全く見られない。
具体案の策定に際して、基本方針の「1.改革の目的と検討の方向等」に記載されている目的を確実に実現しうる制度とすることを切に要望するものである。
- 「公益性のある非営利法人」について、「一般的な非営利法人」の一類型として、その要件・定義を法律で明確に規定することを求めます。
公益性のある非営利法人は、一般の公益性のない非営利法人に比べて社会に対する貢献度が大きく、税制上の優遇措置を含めて積極的に支援すべきである。その一方では、社会への責任、たとえば内部規律の厳格さ、残余財産処分の制限、情報開示などを強化すべきである。活発な民間非営利活動を、健全に、混乱なく推進するためには、この区分を制度上明確に法律で定めておくことを強く要望するものである。
ちなみにイギリスではチャリティ専用の法人類型(社団、財団)の新たな創設が実現の方向にある。
- 公益性の判断については、判断基準を法律で規定した上で、独立の第三者機関を設立し、その機関で任に当たることを求めます。
公益性の定義は難しく、さらにその判断次第で実質的な内容は大きく左右される。税制と密接に関連する公益性の判断基準の法制化と、その解釈、運用にあたる行政(税務)当局から独立した中立的な第三者機関の設置を強く要望するものである。
- 公益性のある非営利法人に対しては、非収益事業収入について、原則非課税とすることを求めます。
これまでの過度の行政依存型社会から脱却し、民間非営利活動を社会経済システムの中に積極的に位置づけて、その活動を促進するためには,非営利活動法人に対する税制上の支援が不可欠である。新たな非営利法人については、資産運用益に対する非課税を含め、非収益事業について原則非課税とすることを強く要望するものである。
- 財団法人については、これまで果たしてきた社会的役割と実績を尊重し、制度の存続を求めます。
財団法人制度は民法制定以来100年以上の実績を有し、大きな社会的役割を担ってきた。一部不祥事を起こした財団法人もあるが、これはその財団法人が公益法人として本来求められているガバナンスを欠いていたことなどに起因するものであり、制度そのものの欠陥から生じたものではない。
このたびの制度改革にあっては、財団制度そのものについては廃止することなく、財団自身の自律性に基づくガバナンスの強化や情報公開による透明性確保を明確に規定することにより、民間の非営利活動を担う代表的な主体として、その存続を強く要望するものである。
以上