財団設立・運営情報、相談 -オーバーヘッドについて

オーバーヘッドについて

民間助成財団の研究助成に対する大学・研究機関のオーバーヘッドの取り扱いについて

(2007.5.1)

国立大学の独立法人化以後、大学や研究機関に対する助成財団の助成金に対し、大学や研究機関が「オ-バーヘッド」と称する本部管理経費などの上乗せ資金を求めるようになってきました。

当センターでは平成17(2005)年9月に会員財団に対しオーバーヘッドについてのアンケートをお願いし、引き続き全国の国立、公立大学と一部の私立大学にアンケートを実施いたしましたが、その結果を下記の通りまとめました(PDFにて作成)。

助成財団としては、研究に要する正当な経費であれば問題はないと考えられますが、それが大学あるいは学長のポケットマネーとして別の用途に使用されることになると、助成金の流用と見なさざるを得ない、ということになります。

アンケートの結果は、公立大学や私立大学に比べて国立大学でオ-バーヘッドの徴収が最も進んでおり、センターとし早急に対応する必要に迫られ、平成18(2006)年9月以降、研究助成を行っている主要65財団が連名で、全国の大学(全ての国公立大学と一部の私立大学)に申し入れを行いました。

その結果、

  1. 東京工業大学を始めとする助成財団の助成金には、オーバーヘッドを徴収しない  とする大学
  2. 東京大学を始めとする助成財団の応募要領等で助成金にオーバーヘッドを含めることを認めないことが明らかな場合は、徴収しないとする大学

の2通りの対応が行われるようになってきました。このほかどうしてもオーバーヘッド分を徴収したい、と希望する大学も依然としてあるようです。

参考までに65財団(代表:助成財団センター)による大学宛の申入書と東京大学からセンター宛の報告書を掲載いたします。(PDF)

センターとしては今後も会員財団からの情報を求めながら、統一した対応を検討して参りたいと考えております。

なお研究助成金の大学に対する委任経理については、個々の助成財団の規定に基づいて諾否が決められています。

 

東海・北陸地区国立大学9法人における「研究助成金等の受領」に関する要望ついて

(2014.8.18)

昨年来、東海・北陸地区国立大学法人の代表校である名古屋大学、三重大学の監事の方々と、国立大学における研究助成金等の委任経理や大学の間接経費(事務処理経費いわゆるオーバーヘッド)、事務処理等について意見交換を行ってまいりました。
それを踏まえて新年度に入り東海・北陸地区国立大学法人の代表校であります名古屋大学から、要望書が当センター宛てに送付されてきましたので、研究助成金等の受入れに関する一部の国立大学の動向として情報提供いたします。

* 東海・北陸地区国立大学法人: 東海・北陸地区には12大学が所在していますが、今回の要望に賛同している大学は以下の9法人です。残りの3大学の賛同は未定。
金沢大学、福井大学、岐阜大学、名古屋大学、愛知教育大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、三重大学、北陸先端科学技術大学院大学  以上9大学法人

  「助成財団からの助成金の受け入れ手続きに係る要望書」
【背景】

各国立大学ではかねてから大学内で規定した「寄附金取扱規則」等において、教員等が個人宛て寄附金(含む研究助成金等)を受け入れたときは、これを改めて各大学法人に寄附しなければならない旨を定めています。

しかしながら、これまでの会計検査院の検査の都度、「寄附金取扱規則」等に反し個人が管理している不適切な処理が無くならないことから、平成25年2月には文部科学省高等教育局長及び研究振興局長名で「『教員等個人宛て寄附金の経理』の適正な取扱いについて(通知)」が各国立大学法人学長及び同監事宛てに出状されました。

この通知では、教員等個人に対して寄附された寄附金について、各法人における寄附金の取扱いを定めた規則等に基づかない不適切な処理が見られることは、国立大学法人等の社会的信用を損ないかねない状況と受け止めて、速やかに対処すべき重大な問題として今後における適正な取扱いに万全を期すと同時に、関係理事などへの周知徹底、また監事におかれては業務監査の充実をお願いする、との厳しい内容になっています。また、国立大学法人の評価においても、この不適切な処理が課題事項として指摘され、業務運営・財務内容等の状況においての評定で一段階下げられたケースも出ていると注意を促しています。

この状況を受けて、東海・北陸地区国立大学9法人の監事の連絡会では、個人受領した寄附金等をそのまま個人が管理をしている事案を無くすため、教員等に対する説明会や大学法人内での周知活動を実行に移すことを決め、更に徹底を期するために助成財団からの助成金を個人口座ではなく大学法人の口座に直接振り込んでもらうことに配慮をお願いしようという内容で合意し、各大学法人の学内コンセンサスを得た上で、大学側としては下記3点を実行するという報告を盛り込んだ要望書が当センターあてに送付され、あわせて関係助成財団への情報提供を依頼されたものです。

  1. 間接経費(大学の事務処理経費、いわゆるオーバーヘッド)の徴収は行わない。
  2. 大学宛ての「寄附申込書類」の提出は不要。
  3. 大学指定の振込用紙による振込にはこだわらず、電子媒体等を利用した振り込みで

も対応可能にする。

【助成財団の対応】

現在、研究助成金等の送金は財団によりその方法はいろいろ異なっていると思われます。

  1. 原則通り助成対象となった本人の個人口座に送金する。
  2. 助成対象となった本人の依頼又は指図によっては大学口座に送金する。
  3. 大学口座に送金する。(助成対象となった本人の同意が前提)

助成金は助成対象となった本人に受領してもらうのが原則であり、研究助成金の場合も助成対象となった本人の口座に送金するのが原則となります。

したがって、助成対象者個人が受領した助成金等を大学が管理するのであれば、受領者が大学へ寄付することを定めた「寄附金取扱規則等」を大学内において徹底するのが筋と言えます。

しかしながら、前記【背景】に記載の状況から、大学の口座に直接送金することを依頼してくる3.のケースが多くなっている現状もあります。その際に、大学側が受領した助成金を管理するための経費として、間接経費(事務処理経費、いわゆるオーバーヘッド)を要求されることが散見されるようになってきています。もちろん事務処理経費を取らない大学法人もありますが、その金額は大学法人により違いがあり、助成金額の数%から30%程度の額を助成金の中から差し引いて事務処理経費に充当するというものです。

本来、研究助成金は助成対象者本人の研究計画のために使用する使途指定の助成であり、一般的には助成する段階で大学法人の間接的な事務処理経費(オーバーヘッド)は含んでいない場合が多いと思われます。

その観点から、大学法人の間接経費〈事務処理経費、いわゆるオーバーヘッド〉の取扱いに関しては、2006年(平成18年)9月に当センター理事長及び賛同する65研究助成財団理事長の連名で「民間の研究助成金に対するいわゆるオーバーヘッドの取扱いについて」という文書を全国の国立大学、公立大学、一部の私立大学の学長宛てに出状し、その中で「研究助成金の一部が大学法人等の資金として転用されることは、助成財団として到底納得できるものではありません」との考えを述べてきております。

その後東京大学では、応募要項等に「助成金には大学の間接経費(事務処理経費)は含みません」と明記されている場合については徴収しないという処理がされるようになってきました。

一方、助成財団の中には、助成金の受領対象者の了解のもととはいえ、大学口座に直接送金することにより事務処理経費が徴収されることを避けるため大学口座への送金はしないという財団や、間接経費(事務処理経費)を徴収しないことが約束された場合にのみ大学口座に送金するといった財団もあります。

そのような状況にあって、要望書に記載のある1.は助成財団にとりましてはこれまで主張してきたことであり、また、2.の助成金を大学法人に送金するに際して大学法人に対して「寄附金申込書」を提出させられることは違和感があり、その必要が無くなること、また3.の指定の振込依頼書以外での送金が可能となることはすべて歓迎すべきことがらで、本来大学口座への直接送金とは切り離して考えるべきことと理解しています。

いずれにしましても、今回の東海・北陸地区国立大学9法人からの要望につきましては、その対応を当センターで一律に決める性格のものではなく、各助成財団の皆さまのそれぞれの方針、判断に従って対応していただくことになりますのでよろしくお願いいたします。

なお、本件につきましてご不明な点などございましたら当センターまでお問い合わせください。