概況
-2021年度調査結果-
(1)助成財団の定義
ここでは、「公益法人」「一般法人」や「社会福祉法人」「特定非営利活動法人」などの非営利セクターだ
けでなく、「企業」「行政」など以下の事業を行う団体を「助成団体」と定義している。
A.個人や団体が行う研究に対する資金の提供事業
B.個人や団体が行う事業に対する資金の提供事業
C.学生・留学生等に対する奨学金の支給事業
D.個人や団体の優れた業績の表彰と賞金等の贈呈事業
(2)公益法人・一般法人の概況
助成団体の多くは、公益法人・一般法人として活動をされている、まずは最も多くを占める公益法人・
一般法人についての概況を説明する。
2008(平成 20)年 12 月、新しい公益法人制度が施行された。旧公益法人は新しい制度の下、新公益法
人もしくは一般法人へ移行した、その状況は下記の(図 a) の通りである。
新公益法人制度が施行されて以降、その後の新設も含め公益法人は 9,794 法人、一般法人 74,683 法人
(公益財団法人 5,487、公益社団法人 4,171、一般財団法人 7,547、一般社団法人 68,949)が活動して
いる。
(図a)
内閣府「2020(令和 2 年)度公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」に拠ると、全法人のうち 3,027 団体(内、財団 2,504、社団 523)が、公益目的事業の事業類型(※1)別(18 類型)のうち、「(13)助成(応募型)」の事業を申請している。
助成事業を行う公益法人の多くは、申請時に、公益目的事業の事業類型を使用している。
(※1)公益目的事業の事業類型は、公益認定を申請する際の要件である「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう」ことの説明に使用するチェックポイント。複数事業を行う法人および複合形態の事業があるため、延べ法人数は法人実数とは異なる。
当センターでの独自の検索において、近年多くの一般財団法人の設立を確認している。 新設の一般財団法人と公益財団法人の増加数の状況を比較すると、(図a)で示されるように、新しい公益法人制度の施行により移行した団体数と、現在の団体数からも、一般財団法人の増加率が公益財団法人より明らかに高い。 公益法人としての制約を避け、一般法人を選択するケースが増えていることが原因の一つと考えられるが、それらの一般財団法人が今後、公益認定の申請に向かうかどうかは注視していきたい。
(3) 調査分析の対象について
公益財団法人助成財団センター(以降当センターという)では、設立(1985年)以来、調査表を使用した助成団体に関する基礎データや助成情報の収集に取り組んでいる。(ここでいう助成団体は1.(1)の定義に基づく)
助成団体に調査表を送り、回答のご協力をいただいたく(以降、データベース調査という)形でのデータ収集である。 2021年度からは、併せて、WEB入力によるデータベース調査も新たに実施した。
データベース調査対象団体は、過去からデータベース調査にご回答をいただいている団体に加え、内閣府の公益法人データベース、インターネットの検索サイトやその他の情報源より抽出を行ったものである。
2021年度については、当センターが把握している3,700団体にデータベース調査をお願いし、その調査の
結果、2,005団体に協力をいただき、有効回答を得た。
◎本統計で分析対象とする助成団体の母集団は、2021年度の調査結果に基づき、次の2通りとした。
[対象A]・・・1,837団体
2021年度の調査結果である、2,005団体には19余の法人形態が含まれることから、今回の統計においては非営利民間に着目することで、かつて、新公益法人制度(2008年12月)の施行以前に民法34条で規定されていた、狭義の公益法人(財団法人、社団法人)と広義の公益法人として含まれた宗教法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、特定非営利活動法人(認定を含む)を分析対象とした。
対象Aとなる団体数の内訳は、公益財団法人1,301団体、公益社団法人86団体、一般財団法人286団体、一般社団法人50団体、宗教法人1団体、社会福祉法人67団体、特定非営利活動法人46団体(認定17団体を含む)で、合計は1,837団体である。
[対象B]・・・933団体
団体対象Aのうち、正味財産(資産総額)の記載があり、かつ年間助成総額が500万円以上の団体を抽出
し、該当する933団体(公益財団法人734団体、一般財団法人103団体、公益社団法人34団体、一般社団法人10団体、社会福祉法人42団体、特定非営利活動法人10団体(認定4団体を含む)が含まれている)を対象Bとする。