令和５年度 東レ科学技術賞・東レ科学技術研究助成および東レ理科教育賞の決定について
2024/02/21
公益財団法人 東レ科学振興会（会長 日覺昭廣󠄁）は、第64会東レ科学技術賞、東レ科学技術研究助成、第55回東レ理科教育賞が決定しました。
東レ科学技術賞は科学技術で優れた業績をあげた方の表彰、東レ科学技術研究助成は科学技術の基礎的、萌芽的研究を行っている若手研究者への資金援助で、募集は７７学協会および当会の推薦人の推薦により行っています。東レ理科教育賞は公募で、創意と工夫によって著しい教育効果をあげた中学校・高等学校等の理科の先生を表彰しています。
東レ科学技術賞２名の業績、東レ科学技術研究助成一覧、東レ理科教育賞の受賞内容および受賞者一覧は次のとおりです。
第64回東レ科学技術賞
- 慶應義塾大学医学部教授 吉村 昭彦 氏
「サイトカインシグナル制御機構とその病態生理学的意義」
サイトカインによる細胞間情報伝達は多くの生態機能に関与し、その破綻は、疾患の原因となる。氏は、サイトカインのシグナル伝達の主要経路とその制御メカニズムを発見し、疾患との関係をも明らかにした。基礎研究から病態研究から病態解明に至る本業績は、世界的に高く評価されている。 - 岡山大学異分野基礎科学研究所 所長・教授 沈 建仁 氏
「光合成における水分解反応及び光エネルギーの高効率利用機構
氏は、光合成における水分解・酸素発生反応と光エネルギー捕集に関わる巨大タンパク質複合体の構造解明に卓越した成果を上げた。これはクリーンで再生可能なエネルギーの獲得と目的とする人口光合成において、人口触媒合成に重要な設計指針を提供するものである。
第64回（令和５年度）東レ科学技術研究助成
- 太田 茜（甲南大学理工学部 特任研究講師）推薦者：日本動物学会
「銅誘導性細胞死が関わる線虫の低温耐性機構の解明」 - 風間 北斗（理化学研究所脳神経科学研究センター チームリーダー）推薦者：推薦人
「匂いの価値の脳内情報処理と回路メカニズムの解明」 - 片山 なつ（東京大学大学院理学系研究科 准教授）推薦者：日本植物学会
「被子植物の共通ボディプランを逸脱した形態進化の解析」 - 北野 政明（東京工業大学元素戦略MDX研究センター 教授）推薦者：触媒学会
「低温CO2活性化のための固体触媒の開発」 - 下志万 貴博（理化学研究所創発物性科学研究センター 上級研究員）推薦者：日本顕微鏡学会
「ナノ材料における超高速現象の可視化と機能開拓」 - 竹内 勇一（北海道大学大学院理学研究院 准教授）推薦者：日本動物学会
「左右嗜好性を惹起する神経分子基盤の解明」 - 千葉 秀平（東北大学大学院生命科学研究科 助教）推薦者：推薦人
「繊毛由来細胞外小胞による細胞間情報伝達機構の解明」 - 中村 修平（奈良県立医科大学医学部 教授）推薦者：日本細胞生物学会
「リソソーム品質機構の理解に基づく老化の根本原理解明」 - 橋坂 昌幸（東京大学物性研究所 准教授）推薦者：日本物理学会
「極低温における精密熱伝導測定技術の確立」 - 松永 典之（東京大学大学院理学系研究科 助教）推薦者：日本天文学会
「高効率の近赤外線天体分光器で探る元素組成進化」 - 山田 泰弘（千葉大学大学院工学研究院 准教授）推薦者：日本化学会
「低CO2排出量の高強度エチニル系炭素繊維の開発」
第55回東レ理科教育賞
- 東レ理科教育賞文部科学大臣賞（１名）
篠崎 淳（佐野市立西中学校 教頭/栃木県）
「太陽の動きとエネルギーの観測を通した学習活動の深化」
太陽の運動と太陽光入射の学習のために、観測者の地球上の位置に応じて調整可能な日時計セットの作製と、太陽光入射角と獲得エネルギー量の赤外線放射温度計による経時測定装置の開発とを組み合わせた点が秀逸である。 - 東レ理科教育賞（２名）
鳴海 博史（大鰐町立大鰐中学校 教頭/青森県）
「透明ガラス電極を用いた化学電池の開発」
早川 純平（奈良県立西和清陵高等学校 教諭/奈良県）
「コロイドの多様な性質を視覚的に学べる墨教材の開発」 - 東レ理科教育賞佳作（３名）
小山 悠太（浅野学園 浅野中学校・高等学校 専任教諭/神奈川県）
「簡易CO2濃度計を用いた呼吸と光合成速度の測定」
山口 恵理子（愛知県立時習館高等学校 教諭/愛知県）
「ユリノキの葉を用いた染色による教育実践」
中野 あゆみ（京都府立亀岡高等学校 教諭/京都府）
「ツバメの巣の接着強度と成分解析を通した教育実践」 - 東レ理科教育賞奨励賞（３名）
市川 真史（富山市科学博物館 主幹学芸員/富山県）
「「見えるボックス」を用いた三次元的な磁力線の変化の可視化」
月僧 秀弥（富山大学教育学部 准教授/富山県）
「簡単に実験できる気柱共鳴装置の開発」
西牧 岳哉（長野県松本県ヶ丘高等学校 教諭/長野県）
「３Dプリンター製の結晶構造模型による教育実践」 - 東レ理科教育賞・企画賞（８名）
上田 大輔（山口県立宇部高等学校 教諭/山口県）
「気体の状態変化に関する探究的な生徒実験指導の工夫」
栗岡 司郎（四天王寺高等学校 教諭/大阪府）
「生徒が短時間で簡単に作製できる紙の結晶模型」
小林 悠介（三重県立飯野高等学校 教諭/三重県）
「氷晶による大気光学現象の教材開発」
近藤 次郎（上智大学理工学部 教授/東京都）
「パズル型分子模型を使った分野複合型教育プログラム」
永井 恭子（久喜市⽴久喜中学校 教諭/埼玉県）
「⼩中連携で、科学的探究を促すワクワク教材の開発」
中川 徹夫（神戸女学院大学人間科学部 教授/兵庫県）
「SDGs達成に貢献するマイクロスケール実験教材の開発」
廣瀬 里佳（山脇学園中学校・高等学校 教諭/東京都）
「真珠養殖の危機を通した廃棄貝殻の活用」
山口 晃弘（東京農業大学 教授/東京都）
「スモールステップを組み合わせる探究的な学びの創造」
詳細参照
東レ科学技術賞：https://www.toray-sf.or.jp/awards/technical/
東レ科学技術研究助成：https://www.toray-sf.or.jp/grant/science/
東レ理科教育賞：https://www.toray-sf.or.jp/awards/education/
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公益財団法人 東レ科学振興会 https://www.toray-sf.or.jp/
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