JFC e-mail newsletter

NO.25 出口 正之 新理事長からのメッセージをお伝えいたします。

JFC e-mail newsletter No.25
◇――――――――――――――――――――◇
出口 正之 新理事長からのメッセージをお伝えいたします。
◇――――――――――――――――――――◇
(2022/7/21(公財)助成財団センター発行)

<事務局冒頭メッセージ>

今年は6月から30度を超える真夏日が続いています。暑さがことのほか厳しい折、皆さまには、ご健勝で暑さを乗り越えていただきますようお祈り申し上げます。

これまでは、夏と言えば、真夏の太陽、キラキラと輝く海など、エネルギッシュで開放的なイメージでした。しかし、近年、特に今年は、開放感よりも閉塞感を感じてしまいます。
誰もが閉塞感を感じてしまう今の世の中では、不安を抱えながら、息苦しく、生き辛いと感じる人がどれほど多いのかと考えを巡らしています。

コロナ禍での抑えられた生活に加え、考えも及ばなかった戦争の長期化(勝つことを考えるよりも終わらせることを考えることができないのかと心から願います)や物価高騰、大雨の被害、そして、衝撃的な銃による暗殺事件などなど、辛いだけでなく、心で消化できない暗いニュースに畳みかけられています。
多くの悲劇を目の当たりにし、爆弾や銃の音が耳に残り、大きなショックと不安を受けています。
しかし、直接自らが被害を受けていないのだから我慢しなければならないと考えると、さらに気持ちの持って行き場がなくなってしまいます。同じような状況は、東日本大震災の時も多く耳にしました。

こころの内をどのように解消するかは、人それぞれですが、まずは人と話すことで救われた話もたくさん聞きました。
こころのケアや感性の育成のスタートはやはり人とのつながりだと感じています。まさに多くのNPOの活動の原点がそこにあると思っています。

また例えば、文化芸術に触れる、スポーツをする、好きなものに触れるなども生きる活力を生み出しています。
現在も助成財団の皆さんは、それらの活動が持続し発展できるように、多くの支援をされています。

行政においては、2021年2月には、世界で初めての閣僚級ポストとして、孤独・孤立対策担当大臣が設置されました。そして「経済財政運営と改革の基本方針 2021」の下、2021年には「孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議」が開催され、12月末に「孤独・孤立対策の重点計画」が出されています。その施策では「関係府省及びNPO等が連携して幅広い具体的な取組を総合的に実施」とあり、「重点計画」には、NPO等の単語は、12ページ中に31回も出てきています。そうしたことは、非営利セクターの活動がいかに皆さんのこころをケアし、守っているかを示していると考えています。国としてこれからどのような支援がなされるのかは大いに見守らなくてはいけないところです。

非営利セクターは、どのような環境においても、心を豊かに人間らしく生きるために、すべてを受け持っています。豊かな未来の実現に向けて、行政、助成財団やNPOなど様々な関係先が、イコールパートナーとして、力を合わせられるよう切に願うばかりです。

INDEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.出口 正之 新理事長からのメッセージをお伝えいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.助成財団センターのWEBサイトがリニューアルされました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.第4回教育系財団交流会の開催ご案内(JFC会員様限定)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.セミナーのご案内
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.センターからのお知らせ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■=======================■
1.出口 正之 新理事長からのメッセージ
■=======================■

このたび、理事長に選任されました出口正之です。私は、個人の突拍子もない希望を許容する企業風土の企業に就職し、学生時代に勉強していた事項から、人事部に直訴する形で20代半ばから企業財団に出向しました。助成活動・総務・会計業務の経験を経て、助成財団の活動をライフワークと考えるようになりました。ジョンズ・ホプキンス大学のレスター・サラモン教授が運営する「フィランソロピー研究員」にアジア人として初めて選任され、これも異例の形で留学を許可してもらい、財団等の諸制度の研究を行ってまいりました。

その後、国立大学教授に就任、税制調査会や内閣府公益認定等委員会の委員として制度改革に「政府側の一員」して関わってまいりました。残念ながら、こうした制度改革で皆様方に大きなご迷惑をおかけしていることに、責任を痛感するとともに内心忸怩たる思いでおります。

当センターが設立されたのは1985年。世界で二番目に設立された助成財団センターでした。当時は、ロックフェラー財団等に象徴される助成財団は、政府ができる前に民間公益活動が存在していたアメリカの建国の歴史的特殊性とともに語られ、他の国ではそれほど発達しないものと思われていました。

実際に当時の欧州でも助成財団はわずかに存在するだけで、たった7つの助成財団が集まって欧州財団センターが設立されたのは、日本の4年も後のことでした。
ところが、その後の企業のCSRやSDGsなどの社会に対する積極的な役割の増大、新興国での経済成長、規制緩和の流れ、ネオリベラリズムの浸透による個人の巨大資産家の誕生などから、今では、欧米に限らずアジア・南米・アフリカを含む世界中で個人や企業による助成財団の設立が続々と始まっています。「助成財団センター」に類する組織も誕生し、欧州財団センターは実に1万団体にまで膨れ上がっております。

この現象は助成財団の活動とほぼ同義で用いられる「フィランソロピー」という言葉からも「フィランソロピーの黄金時代の到来」とまで呼ばれています。また、助成財団は当然、非営利セクターの中心的な存在で他の非営利組織を助ける存在として一目置かれており、そこで働く人々も敬意を集め、きらきらと輝いているようにも思います。
翻ってわが国の現状を顧みると、主務官庁時代の指導監督文化からなかなか脱却できずにいるばかりか、制度改革において、様々な「都市伝説」が誕生し、誤った指導、行き過ぎた自己規制などから、助成財団はあれもできないこれもできないという窮屈な状態にあるように思えてなりません。

さらに、当センターに関して言えば、基本財産の取り崩しを余儀なくされるなど、持続可能性に黄色信号が灯っている状態といえます。したがって、理事長としては当センターの再建及びイノベーションを通じて、日本の非営利セクターの中心的存在としての当センターの活性化を託されたものと思っております。「公益の増進」という公益法人制度改革の立法趣旨をもう一度噛みしめ、助成財団の皆様方とともに、助成活動について社会一般の理解・増進に努め、我が国の民間公益活動の発展に寄与し日本の非営利セクターの発展・活性化に努めたいと思っております。よろしくお願いいたします。

■=======================■
2.助成財団センターのWEBサイトがリニューアルされました
■=======================■

7月1日(金)に、助成財団センターは新しいWEBサイトをオープンしました。2021年度の旧WEBサイトの訪問者数は67万人、閲覧ページ数は1,950万ページに及び、助成財団センターの主要な情報の発信源となっておりました。今回のリニューアルによって、更にアピールと利便性が向上して「助成する側と助成を求める側との情報交流の場」を作るという助成財団センター設立以来のミッション、ならびにコアコンピタンスとしての「助成財団に関する情報の提供と発信」を更に追及することが可能となります。

また、新しいWEBサイトにおいては、助成財団センター主催の研修会などについても情報発信の強化をはかり、助成財団センターの最近の狙いである「助成財団の期待に応える専門性の発揮」も促すこととなるはずです。ぜひ、下記をご覧になっていただければと思います。
https://www.jfc.or.jp/

新たな助成金情報検索サイトの”助成情報navi”の公開は、連携機能を開発中のため、8月を予定しています。こちらもご期待のうえ、お待ちいただければ幸いです。

■=======================■
3.第4回教育系財団交流会の開催ご案内(JFC会員様限定)
■=======================■

<あらましと対象者>

『教育系財団交流会』は、2006年度に「多くの教育現場で助成財団の存在を認識し、その資金の有用性を知らしめるには、グループとしての助成財団の存在を強く訴える必要があるとして、助成財団相互間の情報交換を密にすることにより、個々の財団がより効果的な活動に専念できる環境の造成を指すものである」という理念の下、発足しました。複数の幹事財団の皆さまが中心に企画し、助成活動や助成を取り巻く社会的環境など、共通のテーマについて情報共有と意見交換をいただいており、会員財団の皆さまによる主体的な活動となっています。
2022年度の教育系財団交流会につきましては、「教育をテーマに活動を行う財団」を巡る状況が大きく変化していることから、まず幹事財団である公益財団法人博報堂教育財団の企画である「こども研究所企画 定点調査結果」の情報提供をいただき、また参加財団の皆さまから「教育現場の支援状況」や「ウイズ・コロナ下の新たな取組み」について情報提供・情報交換を予定しています。
尚、参加可能な対象者は助成財団センター会員に限定させていただきます。
                                    
<日時> 8月31日(水) 14:00~17:00(最大)

<詳細・申込み>
近日中に、WEBサイトに公開いたします。

■=======================■
4.セミナーご案内
■=======================■

(1)助成財団センター主催セミナーについて

◇ 研究推進/支援担当者(URA など)のための研修セミナー(Zoom開催) ◇

<あらましと対象者>

大学や研究機関における研究推進/支援の業務に携わっておられる方々を対象に、民間助成金の獲得に向けた必要な知識や情報をご提供すると共に、参加者相互の交流を目的とした研修交流会を開催いたします。
プログラムとしては「民間助成財団と助成について、助成金の獲得に向けた留意点など」についての講義の後、公益財団法人小笠原敏晶記念財団さまから、助成事業についての概要および研究助成等への応募に際しての留意点などに関するご説明をいただき、質疑応答を予定しています。

<日時> 8月4日(木) 13:30~17:00

<詳細・申込み>
https://www.jfc.or.jp/news/news-20220701/

(2)助成財団センター後援セミナーについて

◇ 特定非営利活動法人市民社会創造ファンド「20周年記念事業」連続セミナー(Zoom開催) ◇

特定非営利活動法人 市民社会創造ファンドは今年設立20周年を迎えます。
その節目として、人も組織も育つ市民活動助成とは~これからの市民社会の醸成に向けて、「20周年記念事業」連続セミナーを開催しています。
ご盛況いただいております連続セミナーもすでに3回目となります。

<あらましと対象者>

テーマ:『共に育む』助成とは
NPOは社会の変化を柔軟に受け入れながら、支援を必要としている人たちの声に耳を傾け、同じ志をもった市民や企業・行政とともに活動を立上げ、当事者や関係者と共にその成長を育んできました。助成を通して育まれるものは何か、そして共に育むことを応援する動きを今後広げるには何が必要か。
10年以上にわたり長期療養の子どもとその家族の支援に取り組んできた「タケダ・ウェルビーイング・プログラム」を事例に考えます。
どなたでもご参加いただけます。

<日時> 7月26日(火) 14:00~16:00

<参加費> 3,000円

<詳細・申込み>  
https://www.jfc.or.jp/20220525/2325/
peatixにてお申込みください https://civilfund-20th.peatix.com/

■=======================■
5.センターからのお知らせ
■=======================■

◎新入会員のご紹介
(公財)青山音楽財団さまにご入会賜りました。
心より感謝申し上げますとともに、今後とも情報提供に務めさせていただきます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★ ご寄付のお願い https://www.jfc.or.jp/donation/
助成財団センターでは当センターの事業活動にご理解とご賛同をいただき、是非ご寄付をお寄せくださいますよう心よりお願い申し上げます。

★ 会員募集中 https://www.jfc.or.jp/recruitment/
当センターの中間支援組織としての果たすべき役割、責任は極めて大きいものと自覚しておりますが、皆さまのご参加とご協力があってこそのものです。
多くの皆さまに会員として当センターを支えていただきたく心よりお願い申し上げます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JFC e-mail newsletter No25
編集・発行 公益財団法人 助成財団センター
発信日 2022年7月21日
編集・発行人 花崎 和彦

公益財団法人 助成財団センター
〒160-0022 新宿区新宿1-26-9 ビリーヴ新宿4F
TEL:03-3350-1857 FAX:03-3350-1858
URL:https://www.jfc.or.jp
Twitter:https://twitter.com/GIC7E8xM9r1islT

●JFC e-mail newsletter(無料)配信希望・配信中止は、
jfcnews@jfc.or.jpまでお知らせください。
●ご意見・ご感想は、jfcnews@jfc.or.jp までお寄せください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━