NO.36 新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議「最終報告」が提出されました
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新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議「最終報告」が提出されました
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(2023/6/16(公財)助成財団センター発行)
【事務局冒頭メッセージ】
今年は、梅雨の初めから、全国で線状降水帯による大雨が降っており、水害が心配です。まずは身の安全が何よりも大切です、早めの避難を心掛けるなど、くれぐれもお気を付けてください。
先日、新たに北海道にオープンした“北海道ボールパークFビレッジ・エスコンフィールドHOKKAIDO”のお話をお伺いする機会がありました。ご存知とは思いますが、“エスコンフィールドHOKKAIDO”はプロ野球球団:北海道日本ハムファイターズの本拠地として今シーズンから使用されています。これまで札幌ドームがあった札幌市から離れた北広島市に、巨大な32ヘクタールのボールパークを一から作り上げました。野球場だけなら、5ヘクタールで十分だそうです。壮大な地域貢献プロジェクトである“北海道ボールパークFビレッジ”に、とても興味を感じています。
札幌ドームからの移転は、色々な問題があったようですが、「Fビレッジ」の構想は、2015年からスタートしています。「Fビレッジ」は、「共同創造空間」をコンセプトとして、行政や企業、地域などの多様なステークホルダーから成る「共創」により生み出された新しいまちづくり(コミュニティの形成)です。地域社会の将来を担う「子ども」を最重要課題として位置づけ、子どもの学びや遊び、成長に寄与する活動に注力することも前面に出ています。
何より面白いのは、スローガンの「野球に興味のない人こそ来てほしい」であり、北海道の魅力あふれた、世界初のものがたくさん詰まった「野球を見なくても365日楽しめる」数々の施設が準備されていることです。これからの事業の在り方として、学ぶところは多いと思います。
共創事業を行う自治体も増えていますが、私たちも多くの複合的な社会課題に取り組む上では、様々な異業種の参入により問題を解決できて、前に進めることも多くなっています。何より、共創が自らの事業では得られない多くの効果を生み出すと思っています。共創にはハブとなる担い手が必要です。今、第三セクターである、我々には、行政やNPO、企業等との新しいアライアンスの繋ぎの役割が求められているのではないでしょうか。 「Fビレッジ」は私が行ってみたい場所になりました。そして、野球の観戦も是非楽しみたいです。夏休みに北海道旅行を計画されている方々には、「Fビレッジ」に是非足を運んでいただければと思います。
INDEX
1.新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議「最終報告」が提出されました
2.休眠預金法改正案のポイント
3.助成財団センター西日本支部の開設
4.セミナーご案内
5.センターからのお知らせ
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1. 新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議「最終報告」が提出されました
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「民間による社会的課題解決に向けた公益的活動を一層活性化し『新しい資本主義』の実現に資する観点から、公益認定の基準を始め現行の公益法人制度の在り方を見直し、制度改正及び運用改善の方向性について検討する」という趣旨の下、内閣府が昨秋より立ち上げておりました、「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」(会議座長は、雨宮孝子公益法人協会理事長、当センター理事も兼務)の最終報告が、6月2日に取りまとめられました。
社会的な課題解決に向けた公益法人活動の活性化のために収支相償、遊休財産、変更認定などこれまでの財団運営でボトルネックになっていた規制を緩和する方向性がうかがえます。
最終報告の概要は以下の通りです。
https://www.koeki-info.go.jp/regulation/pdf/20230602_gaiyo.pdf
また、本文は次の通りです。
https://www.koeki-info.go.jp/regulation/pdf/20230602_houkoku.pdf
助成財団センターは、花崎専務理事と両角理事・事務局長が有識者会議のヒアリングに参加、さらには(公財)公益法人協会、(公財)セゾン文化財団、(公財)かめのり財団、(公財)さわやか福祉財団、との連名で当該最終報告に対して意見書を提出しております。 追って立法化の動きが始まるとのことです。次項で触れる「休眠預金法改正案」からも同様に読み取れますが、さまざまな社会的課題に公益法人(民間助成財団を含みます)が取り組み、ひいては社会の活性化をもたらすことを政府が期待している点です。これは、政府が公的な枠組み単体では現在の社会的課題の解決が難しいと認識していることの反映でしょう。この流れが、公益法人の自律的な活動にどのように影響を及ぼすのかを注視する必要がある筈です。助成財団センターとしてもフォローを続けると共に、節目で皆さまに動向をお知らせ申し上げます。
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2. 休眠預金法改正案のポイント
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現在開会中の第211回国会 において、「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律の一部を改正する法律案」(略称:「休眠預金法改正案」)が審議されております。6月8日には衆議院本会議で可決に至りました。追って、参議院で審議されることとなります。
2018年の休眠預金法施行に伴い、(一財)日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が設立されました。今年度において、JANPIAは資金分配団体を介して、総額で約75億円を子供及び若者への支援、日常生活困難者への支援、地域活性化等への支援などの民間公益活動に取り組む実行団体に拠出する予定となっております。休眠預金が毎年約1000億円以上生まれてくることを考えると、JANPIAが拠出できる資金にはまだ膨大な伸びしろがあります。この圧倒的な資金力と全国に広く資金分配団体を擁する組織力、そしてそこから生まれてくる大きなインパクトを持つファンディング・エージェンシー(資金拠出団体)であるJANPIAの動向からは目を離すことができません。
今次の「休眠預金法改正案」のポイントは、次の通りです。
- 法の第一条(目的規定)に、公的機関が対応することが困難な社会の諸課題の解決を目指すこと、並びに民間公益活動の自立した担い手を育成すること、という狙いが明記される。
- 社会的課題解決の前線で活動する実行団体に対してアドバイス・伴走支援を行う中間支援組織である「活動支援団体」(仮称)が新たに設置される。併せて、JANPIAとその下にある資金分配団体も、現場の実行団体にたいしてアドバイス・伴走支援を行うことになる。この結果として、資金面での支援に加えて、現場の実行団体に対する人と情報面の支援が格段に強化されることとなる筈です。
- JANPIAから、資金分配団体と実行団体の双方に対して、助成に加えて、出資という形態での資金的な支援の方法が導入される。
上のポイントの中では、資金的な支援だけではなく、アドバイスと伴走支援を行う方向が特に関心を引きます。JANPIAという巨大なファンディング・エージェンシーが実施に移す、この新たな流れが民間助成財団の助成手法にどのような影響を与えていくのか、耳目を傾けていく必要があるでしょう。
概要は、次の内閣府の情報をご覧ください。
https://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/index.html
衆議院による、改正法の骨子の整理も有益です。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g21105025.htm
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3. 助成財団センター西日本支部の開設
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5月1日より、公益財団法人助成財団センターの「西日本支部」を、以下の通り開設いたしました。常勤者はおりませんが、大阪在住の出口理事長が頻繁に利用しておりますので、お電話いただきましたら、日程の調整させていただきます。また、交流の場としてもご利用いただきたいと思っております。日頃なかなか東京事務所にお越しいただくことができない西日本の財団様には、是非ご利用いただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
住所: 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15
西天満内藤ビル3階 虎ノ門法律経済事務所気付
公益財団法人助成財団センター・西日本支部
注:虎ノ門法律経済事務所気付という記載がないと郵便物が届かない可能性があります。ご留意くだされば幸いです。
メールアドレス: office@jfc.or.jp 公益財団法人公益事業支援協会様のご厚意により、無償にて事務所のスペースをお貸しいただきました。心より感謝申し上げます。
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4. 7月開催セミナーご案内
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◎助成財団センター主催、7月開催セミナーについてのご案内です。
(1) 助成実務セミナー(7月) (Zoom開催)
◆あらまし◆
主として助成事業の経験が浅い運営責任者ならびに実務担当者を対象として、助成事業に関する基本的な知識とノウハウを目的に助成財団センター理事 渡辺元が分かり易く講義をいたします。(1回ごとのご参加も可能です)
◆対象者◆
助成事業の立ち上げ責任者、運営責任者、担当者、財団のプログラム・オフィサーならびに伴走支援者、NPOの経営者ならびにマネジャーや現場スタッフ、中間支援の方など
◆日時◆
7月5日(水) 14:00~16:30
テーマ1:「民間助成財団および助成業務について」
7月12日(水) 14:00~16:00
テーマ2:「助成事業を運営するために-助成事業とは何か、その運営留意」
7月19日 (水)14:00~16:00
テーマ3:「助成事業のフォローアップ-意義、実施方法、情報の活用-」
7月26日(水)14:00~16:00
テーマ4:「助成事業をどのように組み立てるか」
◎Zoomでの開催を予定しています。在宅での受講も可能です。
詳細(含む受講費・申し込み方法)は追って、 助成財団センターWEBサイト https://www.jfc.or.jp/ に掲示いたします。
(2) 新任職員・スタッフ研修会 ~助成財団の業務に関する基礎的な導入研修
-久しぶりの実地開催となります!-
◆あらまし◆
助成財団や助成事業のレクチャーと共に、ゲスト財団さまより、実際の現場のお話が聞ける研修会となります。今回は久しぶりの実地開催となりますので、ゲスト財団さま訪問、交流会を予定しています。
助成財団センターでは毎年度、新しく助成財団に勤務された方や新たに助成実務に携わることになった皆さまを対象に、助成財団の業務に関する基礎的な知識を学んでいただく機会としています。
◆対象者◆
助成財団の一般職員・スタッフの方々(特に初任の方を想定しております)
◆日時◆
7月7日(金) 10:00~17:15(実地開催です)
◆プログラム◆
10:00~ 参加者自己紹介
10:15~
講師:(公財)助成財団センター 花崎 和彦専務理事、両角 明子理事・事務局長
・助成財団のあらまし、日本の助成財団の現状、
・助成事業の実務、 公益事業のチェックポイント 他
11:45~12:45昼食(休憩・懇談)
12:45~
講師:(公財)トヨタ財団 成田 真澄総務課長
・トヨタ財団のあらましと総務・経理部門の実務
・財団事務室見学
以上、於:(公財)トヨタ財団 会議室
14:45~移動(休憩)30分間
15:15~
講師:(公財)SOMPO福祉財団 澤 雅弘主査
・SOMPO福祉財団のあらましと助成事業の流れ
・財団事務室見学
17:15 終了
以上、於:(公財)SOMPO福祉財団 会議室
17:30~19:00 交流会(希望者のみ)
於:銀座ライオン新宿エルタワー店
◆詳細(含む受講費)◆
下記をご覧ください。
◆WEB申込◆
7月4日 (火)までに下記よりお申し込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/48e63b7a287352
(3) 初任管理者研修 (Zoom開催)
◆あらまし◆
助成財団の幹部役職員にとって必須の基礎知識や運営についての情報を提供させていただきます。また、コンサルの立場からの、管理者として押さえるべきポイントの解説と、助成財団の現場で業務に取り組んでおられる他財団の役員の方からは、それぞれの財団の活動紹介や経験を踏まえた財団運営への取組、管理者としての心構え等についてお話しいただきます。
◆対象者◆
助成財団の幹部役職員の方々(特に初任の方を想定しております)
◆日時◆
7月14日(金) 10:00~17:15 (Zoom開催)
◆プログラム◆
<講義1>
日本の助成財団の現状と助成財団の運営・管理について
(公財)助成財団センター 花崎 和彦専務理事、両角 明子理事・事務局長
<講義2>
管理者として、押さえるべきポイントについて
理事会・評議員会の運営ポイント
認定要件と決算前の留意点
助成財団における管理運営の注意点
辻・本郷 税理士法人 公益法人部 安藤美和子パートナー/税理士
<講義3>
トヨタ財団の概要と直近数年の取組について
トヨタ財団の概要
改革の基本的考え方及び概要、改革の具体的内容
(公財) トヨタ財団 山本 晃宏常務理事
<講義4>
キリン福祉財団の活動について ~出捐会社の CSV への取り組みと財団のポジション
キリン福祉財団の概要、今年度の推進
(公財)キリン福祉財団 大島 宏之常務理事・事務局長
◆詳細(含む受講費)◆
下記をご覧ください。
◆WEB申込◆
7月4日 (火)までに下記よりお申し込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/45272296255380
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5. センターからのお知らせ
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(1) 『助成財団 NPO・市民活動のための助成金応募ガイド2022』
『助成財団 研究者のための助成金応募ガイド2022』
を発刊いたしました。
民間財団の助成金に関するガイドブックの決定です。前者には、NPOや市民活動向けの公募プログラムをもつ715団体、1,074プログラムが紹介されています。後者には、研究者向けの公募プログラムをもつ878団体、1,555プログラムが掲載されています。
ご購入の際には、下記からお求めください。
(NPO・市民活動版)
定価3,000円
(研究者版)
定価3,500円
(2) 「 助成財団センター・レポート 日本の助成財団の状況(2022)」が刊行されております。
現在の社会状況に鑑みて、長年ご愛読いただいた「助成財団要覧」のコンテンツをアップデートしたのが本書です。現在の民間助成財団へ対する期待、その動向、コロナ禍の下での活動、民間助成財団の一覧などの貴重な論考と最新の情報が収められています。民間助成財団の状況を俯瞰されたい方には必読の書籍です。
ご購入の際には、下記からお求めください。
定価は、1,870円となります。
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★ ご寄付のお願い https://www.jfc.or.jp/donation/
助成財団センターでは当センターの事業活動にご理解とご賛同をいただき、是非ご寄付をお寄せくださいますよう心よりお願い申し上げます。
★ 会員募集中 https://www.jfc.or.jp/recruitment/
当センターの中間支援組織としての果たすべき役割、責任は極めて大きいものと自覚しておりますが、皆さまのご参加とご協力があってこそのものです。
多くの皆さまに会員として当センターを支えていただきたく心よりお願い申し上げます。
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JFC e-mail newsletter No.36
編集・発行 公益財団法人 助成財団センター
発信日 2023年6月16日
編集・発行人 花崎 和彦
公益財団法人 助成財団センター
〒160-0022 新宿区新宿1-26-9 ビリーヴ新宿4F
TEL:03-3350-1857 FAX:03-3350-1858
URL:https://www.jfc.or.jp
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