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No.15 コロナ禍の変革期における助成財団-同じ目標に向かって協力し合うアライアンスへ向けて-

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コロナ禍の変革期における助成財団
-同じ目標に向かって協力し合うアライアンスへ向けて-
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(2021/09/22(公財)助成財団センター発行)

<事務局メッセージ>
11月にはワクチン接種希望者全員への接種が終わるとのことで、コロナは収束しないまでも、世の中はいよいよ本格的にコロナと共に歩み始めることになります。

コロナ禍で、大きく変容したと言われる社会です。生活は予想以上にデシタルにシフトしました。そして、価値観が変わり「意味」を深く考える社会になったとも言われています。また激変する社会は、多様化するニーズに応えるために多くの異業種のコラボレーションを生み出すこととなりました。

助成財団の環境も変化しています。コロナ禍にも拘わらず、さまざまなタイプの新しい財団が設立されています。また、民間の助成財団とは別の大きなお金の流れが確立されて来ました。

私たち助成財団はどうなるのでしょうか?
今まさに助成財団は変革期をむかえようとしているのかもしれません。助成財団の中には、コロナ禍で、コラボレーションにより事業を発展させたところもありました。しかし簡単ではありません。今の時代においてはSNSが発達し、情報が溢れるが故に必要な情報を選別するのは難しく、その結果として孤立してしまう危険性もあります。

助成事業の基本は先見性と創造性です。最も先進的な考えを持った事業だと思います。しかしそれは、ずっと変わらず同じことを続けることなのかどうかは分かりません。

今の助成財団にとっては、「助成財団のこころ」を大切にしながら、しかし激変する環境に取り残されないように、自らの強みを発揮していくことが重要です。

「意味」を大切にする民間の助成の価値を皆で高めていくために、今後は助成財団同士が同じ目標に向かって協力し合う体制がより必要と考えます。そのためにも、センターでは率先してアライアンスを考えていきたいと思います。11月の第35回「助成財団フォーラム2021」もそのきっかけに出来れば幸いです。

INDEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.NPO支援財団研究会オンラインシンポジウム(ウェビナー開催)のご報告
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2.第35回「助成財団フォーラム2021」(ウェビナー開催)の予告
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3.お知らせ
「助成財団センター主催セミナー(Zoom開催)」について 他
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1.NPO支援財団研究会オンラインシンポジウム(ウェビナー開催)のご報告
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9月10日(金)午後2時~5時半にかけて、NPO 支援財団研究会主催(事務局を助成財団センターが担っています)による「2021 WEB シンポジウム 秋の助成金応募シーズン到来!! プログラムの狙いを理解して提案力を高めよう ~各助成財団の募集事業の内容の紹介とより良いパートナーシップの構築のために~」がオンライン開催されました。当初200名の定員を設定しておりましたが、予想以上のお申し込みをいただき、最終的に全国から約300名のご参加を賜りました。

(公財)助成財団センター 花崎和彦理事・事務局長の総合司会の下、シンポジウムのオープニングです。NPO支援財団研究会代表を務める(公財)助成財団センター 田中皓専務理事の開会あいさつに引き続き、 第一部にあたる基調講演「パートナーシップ構築のキモ ~助成プログラムの狙いを踏まえて、企画をどう立てるのが良いのか」について松原明先生(認定NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 元代表理事)から講話をいただきました。「助成金を獲得しようとするNPOなどの方々は、助成財団の『助成プログラムの狙い』は何なのかをしっかり踏まえる。その上で申請するプロジェクトを企画立案するのが肝要。併せて、その際には社会課題の原因 ⇒ 解決策(ソリューション) ⇒ 成果 ⇒ その後の展望というストーリーを説明する明晰なロジックで組み立てる。加えて、成果やそのインパクトを計量化すると説得力が深まる」というメッセージが鮮明でした。助成金の申請をお考えの皆さまにとっても、大変示唆に富んだ内容だったと思います。

第二部においては、松原先生に進行を司っていただきました。「NPO を支援する各助成団体の今年の助成方針 ― NPOに期待しているもの何か?」という主題を中心に、NPO支援財団研究会のメンバーである(社福)読売光と愛の事業団、(公財)三菱財団、独立行政法人福祉医療機構(WAM)、日本郵便株式会社、(公財)日本財団、(公財)電通育英会、(社福)中央共同募金会、(公財)SOMPO福祉財団、(公財)SOMPO環境財団、(公財)キリン福祉財団[ご報告順]の皆さまから、今秋募集を行う助成プログラムのご紹介をいただきました。松原先生がさまざまな角度からお尋ねをされて、何よりも重要な『助成プログラムの狙い』をクリアに引き出してくださいました。ここでは、花崎和彦理事・事務局長も助成財団センターとその活動についてプレゼンテーションを行っております。

第三部では(公財)助成財団センター 渡辺元理事(立教大学大学院客員教授も兼任)が 進行役を松原先生から引き継ぎます。渡辺理事の司会に沿って「助成事例にみる財団の期待するポイント」という観点から、次の3つのパートナーシップの事例を助成団体とNPO双方の視点からお話いただきました。

○ (公財)キリン福祉財団=あんぜんKICHI 寺田由紀子副会長(東京)
○ 日本郵便株式会社= NPO法人愛岐トンネル群保存再生委員会 村上真善理事長(岐阜)
○ (公財)トヨタ財団=NPO法人きょうとNPO センター 平尾剛之常務理事(京都)

いずれの事例からも、助成金を出す側と受け取る側の間の入念なコミュニケーションが信頼関係の確立につながり、それが円滑な助成プロジェクトの進行、さらには全国展開可能な社会的なインパクトを生み出すことに至っていることがうかがえます。
その後の質疑応答では、第一部で提示されたストーリーに関して、「説明のロジックが明晰でない、不完全な事例とはどのようなものか」などについてやり取りが行われました。最後に(公財)トヨタ財団 山本晃宏常務理事に閉会のメッセージを賜り、3時間半に及ぶシンポジウムはクロージングを迎えました。

末尾に事務局の感想を付記させていただきます。NPO支援財団研究会のシンポジウムには、今回もたくさんのNPOの皆さんにご参加いただいております。助成申請のお話が中心ではありますが、助成団体の皆さんは口を揃えて、「民間財団としてNPOを支援すると言うことは、NPOの皆さんとイコールパートナーとして社会に向き合っていくと言うことです。」と強調されました。

VIWES104号の巻頭言として(公財)パブリックリソース財団事務局長をお勤めの田口由紀絵さまからも「社会課題は新型コロナウイルスだけに留まらない。社会環境の変化による格差や貧困、社会的排除など、多様化・複雑化した課題を解決していくために、NPOの組織基盤強化を支援することが、遠回りのようで実は近道であると考える」とのメッセージを賜りました。

両者が共に課題に向き合うためにはまずNPOの基盤強化が必要不可欠です。その方向に向けて、更にNPO支援財団研究会の取組に、今後も力を入れていきたいと思います。

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2.第35回「助成財団フォーラム2021」(ウェビナー開催)の予告
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第35回『助成財団フォーラム2021』について、日時は以下の通りと予定しております。
昨年度に引き続き、感染拡大を抑止するためにオンライン会議(Zoomウェビナー)での開催といたします。
全国各地におられる助成財団の関係者はもとより、助成事業等にご関心をお持ちの多くの皆さまにのご参加をお待ちいたします。
また、開催終了後に本フォーラムを動画視聴いただくことも可能とする準備を進めております。

*開催日時:2021年11月26日(金) 午後2時~午後5時
*テーマ(案)のあらまし:コロナ禍と共に日本社会のあり方が急速に変化し、助成事業を取り巻く環境も大きく変化している中で、社会的に意義のある助成活動を行うためには助成財団はどのようなことを考え、実践しなければならないかという問題意識をベースに助成財団センター事務局において様々な角度から鋭意検討中です。詳細が決まり次第改めてお知らせいたします。

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3.センターからのお知らせ
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◎助成財団センター主催セミナーについて
新型コロナウィルス感染症対策のため、皆さまの安全確保を最優先に考え、Zoomでの開催を基本としています。在宅での受講も可能です。

**助成実務セミナー (10月) ーZoom開催ー
<あらまし>
主として助成事業の経験が浅い運営責任者ならびに実務担当者を対象として、助成事業に関する基本的な知識とノウハウを目的に助成財団センター 渡辺元理事が分かり易く講義をいたします。(1回ごとのご参加も可能です。)
<対象者>
助成事業の立ち上げ責任者、運営責任者、担当者、財団のプログラムオフィサーならびに伴走支援者、NPOの経営者ならびにマネジャーや現場スタッフ、中間支援の方などが対象となります。
<日時>
1.10月6日(水) 14:00~16:30
テーマ:「民間助成財団および助成業務について」
2.10月13日(水) 14:00~16:00
テーマ:「助成事業を運営するために-助成事業とは何か、その運営留意-」
3.10月20日(水) 14:00~16:00
テーマ:「助成事業のフォローアップ-意義、実施方法、情報の活用-」
4.10月27日(水) 14:00~16:00
テーマ:「助成事業をどのように組み立てるか」

詳細・申し込みはこちら。
http://www.jfc.or.jp/wp-content/uploads/2013/04/202110kenshu.pdf

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★ ご寄付のお願い http://www.jfc.or.jp/profile/donation/
助成財団センターは、さまざまな事業活動を展開するため、皆さまからの寄付金を募集しております。当センターの事業活動にご理解とご賛同をいただき、是非ご寄付をお寄せくださいますよう心よりお願い申し上げます。

★ 会員募集中 http://www.jfc.or.jp/profile/collection/
当センターの中間支援組織としての果たすべき役割、責任は極めて大きいものと自覚しておりますが、皆さまのご参加とご協力があってこそのものです。
多くの皆さまに会員として当センターを支えていただきたく心よりお願い申し上げます。
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JFC e-mail newsletter NO.15
編集・発行 公益財団法人 助成財団センター
発信日 2021年9月22日
編集・発行人 田中 皓

公益財団法人 助成財団センター
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